「浜通り・中通り・会津」の3地域に分かれる福島県。福島県の東側、太平洋に面した地域が浜通りです。浜通りは気候の面で優れており、夏は非常に涼しく、冬は温暖という特徴を持っています。漁業が盛んであり、漁に最適な条件が整った海が生む海産物は絶品です。首都圏からのアクセスの良さ、優れた湾港の存在、工場立地の補助金制度等、ものづくり企業にとって最適な環境が整っているため、工業的な強みを持っています。2011年の東日本大震災では、津波、原子力発電所事故により、甚大な被害を受けました。
「福島・国際研究産業都市構想(イノベーション・コースト構想)」は、東日本大震災及び原子力災害によって失われた浜通り地域等の産業を回復するため、当該地域の新たな産業基盤の構築を目指すものです。廃炉の研究拠点、ロボットの研究・実証拠点、エネルギー、農林水産等の分野におけるプロジェクトの具体化を進めるなど、新たな産業拠点を整備することで、世界に誇れる新技術や新産業を創出し、イノベーションによる産業基盤の再構築・産業集積を図ります。
平成25年度より地域産業復興支援事業、中小企業新商品開発支援事業、平成29年度より開発型・提案型企業転換総合支援事業として、産学官連携による技術課題の解決及び、製品開発から販売までのトータルサポートを「ふくいろキラリプロジェクト」と銘打ち、県内ものづくり中小企業の支援を続けています。ものづくり中小企業のかかえる技術課題の解決や企業それぞれの保有技術を活かした新製品開発を、福島県地域産業復興・創生アドバイザー堀切川一男氏(東北大学大学院工学研究科教授)を中心に、産学官連携によって支援しています。
「福島イノベーション・コースト構想」の舞台である福島県浜通りで誕生した「ふくいろキラリプロジェクト」製品、そして技術力を発信する冊子が完成しました。当冊子には、浜通りのものづくり技術は世界に誇れるレベルだということを知ってもらいたいという想いが込められています。グローバルに発信するため、日本語版だけでなく、英語版も用意しました。福島の未来を創造する技術力が結集した製品たちをご紹介します。